Time is a Traveller

旅行記とか、アーリーリタイアとか、日々の雑多とか。

バガンからポッパ山への日帰り旅行。ポッパ山自体よりもすごく記憶に残った光景。

今回のバガンは、6日間の滞在でした。

 

ただ、結局、最初の日と最後の日って、移動日ってことになってしまうので、実質4日。もちろん、到着後すぐ行動!というアクティブな方もいると思うのですが、考えてみると、我々は、到着してはダラダラ、出発の日は何もしない…そういうことが多いなあと思います。それが旅行のスタイルに落ち着いてきているんですね。

 

さて、その4日間の中で、1日はうっすら風で1日ホテルだったので何もせずw、2日間はバガン観光、そして、残りの1日で、ポッパ山に行ってきました。

 

このポッポ山は、バガンの南東50キロのところにある死火山。そこに、タウン・カラッという岩峰があり、パガン王朝時代から土着信仰のナッ信仰の聖地とされている(地球の歩き方を参照)

 

ナッ信仰 (ビルマ語: နတ်‌IPA: /naʔ/; Nat) は、ミャンマー民間信仰・土着信仰である。「ナッ」は、精霊、魔神、死霊、祖霊などを表す言葉である。ミャンマーにおいては仏教と並存し、混成の民間信仰を形成している[1]カチン族カレン族シャン族モン族の間にもナッ信仰と類似するアニミズムが存在する[1]出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ナッ信仰

 

仏教だけではなく、土着の信仰と共存したり、共鳴したり、融合したり、宗教のシンクレティズムは非常に面白いと思います。社会人類学的には、我が国にも、神道と仏教のシンクレティズムという大変興味深い現象がありますね。

 

***

 

ポッパ山へは、乗り合いのソンテウなどでいくツアー(?)、自力でいく方法などあるようなのですが、私たちは、ホテルにタクシーをアレンジしてもらいました。値段を聞いたら、2人で40ドルとかそんな感じだったので、うん、それで良いよね、気楽に行きました。

 

ポッパ山へは、だいたい車で90分ほど。

今回のミャンマー旅行は、マンダレーバガンヤンゴンの3都市。マンダレーからバガンはバス移動だったのですが、バガンヤンゴン間は飛行機。あんまり町以外の場所を見る機会がなかったので、バガンからポッパ山への移動は、非常に良い勉強になりました。

 

ポッパ山に行ったことも面白かったのですが、そこに行くまでの道が非常に記憶に残るものでした。

 

このポッパ山に向かう途中、幹線道路に入っていくのですが、そこに最初は50メートルおきに、お年寄りが、手を挙げているんです。

 

ん?なんだろう?

 

それが、けっこうずっと続いていくんですね。

 

なんだろうね。これ。

 

多分、お金がないから、ヒッチハイクをしようとしているのかな…

 

我々を乗せたタクシーはポッパ山に向けてぐんぐん進んでいきます。

 

でも、ヒッチハイクにしては、人が動いていない。私だったら、ちょっと歩きながら、車が来たら手を上げるかなあ…

 

ドライバーさんに聞いてみると、ヒッチハイクではなく、お金を恵んでほしいんだよ…ということ。

 

気づけば、もう20メートルおきぐらいに人が立って手を出している…

 

こんな車がビュンビュン通り過ぎていく幹線道路で?

 

1日ずっとこうやっていたら、止まる車のあるということ?

 

なるほど…

 

これまで、マンダレーバガンを観光して、やっぱり町だからなんでしょうかね…

こういう光景を目にすること、なかったんです。

 

そっか…こういう現実があるのね。

 

我々、かなり胸が重くなり、会話がなくなります…

 

うーん…なんと言ったら良いのか。

 

貸切のタクシーでぐんぐん飛ばしていく我々と、道で多分止まらないであろう車一台一台に手を差し出している人々。

 

罪悪感、何とかしたいという気持ち、でも何ができる?という気持ち、政府は何をやっているんだという気持ちの転換、見たくないなあという思い。

 

色々な感情が入り乱れて、ポッパ山までの90分の道のりは、大変重い移動となった。

 

これ、帰りも見る光景なんだね…

 

そう思うと、辛い気持ちになる。

 

うーん…

 

でも、多分、あの光景、見られた方が良かったんだと思う。

ガイドブック片手に、歴史や文化について触れたり、美味しいものを食べるハッピートラベラーであることも大切だと思うんですけど、やはり社会問題について考えること、自分自身の反応から自分を学ぶこと、やっぱりそういうことも大切なんだろうなあと思う。

 

その昔、アンコール遺跡近くのトレンサップ湖に行ったのですが、その帰り、道が渋滞して、タクシーがスタック。たくさんのローカルの人たちに窓をバンバン叩かれた思い出があるのですが、久しぶりに、色々なことを考える機会となりました。そういえば、インドでも、まあ、ありましたよね。そういう時、自分自身が固まる。タクシーに乗っている私と外でタクシーの窓を叩く人、窓一枚で、眼差しは、すれ違わない

 

バガンの途中から入る幹線道路。

ポッパ山に行ったことのある人の中には、きっとこの光景を目撃した人も多いのではないでしょうか。

 

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バガンから90分。今回の目的地であるポッパ山に到着です。